Brand Story

神宗「美鍋」

神宗「美鍋」

鍋だしから「現代の出汁文化」へ

240年の味を、これからの食卓へ

天明元年(1781年)、大坂・靱に海産物問屋として創業した神宗。
「重ねた歳月が品質と技に生きる。伝統の味」という企業理念が示すように、240年以上にわたって培われた味と技は、親子三代にわたって愛され続けています。かつて百貨店の開店前には、限定数の塩昆布を求める人々が行列をつくる。そんな光景も、神宗を象徴する風景のひとつでした。しかし、核家族化や食生活の変化、コンビニエンスフードをはじめとする簡便な食品の広がりなど、現代の食卓を取り巻く環境は大きく変化しています。その中で神宗は、塩昆布だけではなく、日本の「出汁文化」を次の世代へつないでいく存在として、新たな商品展開に取り組んでいました。

神宗「美鍋」

「鍋の素」から、出汁の本質を見つめ直す

現代の食卓で「出汁」と聞いて、多くの人が思い浮かべるもののひとつが「鍋の素」。市場にはさまざまな商品が並び、「水を加えず、そのまま使える」タイプも一般的です。便利であることは、もちろん大切。けれど、そこに日本の食文化を育んできた「出汁」のおいしさは、どこまで受け継がれているのだろう。そんな問いから、神宗がつくる鍋の素のあり方を見つめ直しました。
素材を選び、自然由来のものにこだわり、時間をかけて「おいしさの本質」を追求してきた神宗だからこそつくれる鍋の素。
そこから生まれたのが、「美鍋」という新しい商品ブランドでした。
美味しく、美しく。日々の食卓に、ご褒美を。美鍋が目指したのは、単に「おいしい鍋の素」ではありません。
神宗だからこそできる、素材へのこだわり。自然の恵みを生かした味わい。忙しい日常の食卓に、少し特別な時間を届けること。
そこから、「美味しく美しく、日々の食卓にご褒美を。」というブランドDNAを設定しました。
味だけでなく、見た目や食卓での体験まで含めて「美鍋らしさ」をつくっていく。
その価値を最初に伝えるのが、パッケージです。

神宗「美鍋」

料理を見せずに「味わい」を想像させる

一般的な鍋つゆのパッケージでは、完成した鍋料理の写真で味を伝える方法が多くあります。
しかし美鍋は、あえて料理そのものを写真で見せるのではなく、見る人の想像力を引き出すイラストレーションを採用しました。
布のような質感を感じさせるベースデザイン。そこに、それぞれの味わいを想起させるイラスト。そして、鍋から立ち上る湯気や豊かな香りを思わせる、柔らかなライン。「おいしそう」と直接見せるのではなく、「どんな味なんだろう」と想像してもらう。
それも、美鍋が考えた「美味しく、美しく」のひとつの表現でした。
美鍋のそれぞれの味わいを、どのような世界観で表現するか。
神宗の皆さまと話し合う中で、味ごとに最適な表現を追求するため、私たちは国内だけに候補を限定せず、海外にもリサーチを広げ、複数のイラストレーターに制作を依頼しました。一人のイラストレーターが複数の味を担当するケースも含め、それぞれの味わいに合わせてラフスケッチを制作。イラストレーターとイメージを共有し、細かな調整を重ねながら、7つの味わいを7つの個性あるイラストへと仕上げていきました。
それぞれのイラストには異なる表情がありながら、店頭で並んだときには「美鍋」という一つのブランドとして見えること。
そのために、イラストだけでなく、色やレイアウト、素材感などパッケージ全体をREGANがディレクションし、統一感のあるシリーズへと整えていきました。個性を活かしながら、ブランドとしてひとつにする。
それが、このパッケージデザインで大切にしたことです。

つくり手の名前まで、ブランドの価値に

さらに神宗様とのミーティングを重ねる中で、起用したイラストレーターの名前をパッケージに表記してはどうかと提案。
採用された結果、パッケージ裏面上部には、それぞれのイラストレーターのサインが入ることになりました。誰が描いたのかまで伝えることで、商品に込めたつくり手のこだわりを感じてもらう。それは、素材や製法だけではなく、商品をつくるすべての人の仕事を価値として見せることにもつながっています。
ちなみに、美鍋は、2種類以上を組み合わせることで、新しい味わいと深みを楽しめるのも特徴のひとつ。一度購入した方が、次は別の味を試し、組み合わせを変えながら楽しむ。そんな体験がリピートにもつながっています。
味わいの違いが直感的に伝わり、店頭で思わず手に取りたくなる。そして、食べる前から味を想像する楽しさがある。
240年かけて培われた「出汁」という価値を、現代の食卓で新しく楽しめるブランドへ。
私たちは、伝統の中にある本質的な価値を見つけ、それを今の生活者に届く商品とブランドのカタチへとデザインしていきます。

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